冒険一日目
バトル漫画の修行回は人気がないという。
まあそうよね、地味だもんさ経験値稼ぎって。
怠けてたらいつまでも先に進めないけど、かといって心底楽しいかと問われると、唸ってしまうあの時期。
両手で数えられるくらいまでは覚えてたけど、両足で数え終わる頃にはどうでもよくなったn回目のダンジョン捜索……とにかく無理しない、をコンセプトにしているので一回の冒険が短い、とは言うもののレベルが2になり3になり、とすると一階くらいなら方々へ足を運べる余裕くらい出来るってもんだ。
全く知識が無く、どんな敵が出てくるかも分からないのだとしたら少々慎重にもなろうが、朧げながら記憶がある……というのがかなり大きい。
デュマピック映えするよう、マップも隅々まで歩を進め踏み残しが出ないようにするなんてお手の物。怖いのは後衛が事故りかねないピットくらいだし、戦闘でも同じ。後衛に呪文を放つ魔術師僧侶の類さえ警戒しておけば、そうそうやられるものではないのだから。
かくして、レベルは4に。
あとひとつ。
戦士は攻撃回数が増え、魔法使いがマハリトを備える、一応の初心者脱出の目安であるレベル5まで、あとひとつ。
ドロップアイテムも最初こそボルタック任せにしていたものの、初期店売り最強のファイアーソードはやはり欲しいところなので、金を貯める為に鑑定さん()を酒場に常駐させる。
ひやむぎ(仮):エルフ/善/ビショップ
大体どの酒場にも居る、冒険で得たアイテムを預かり鑑定して手数料で生計を立てる人……とは言えゲームに手数料なんて概念は無い為タダ働き。強く生きてw
ファイアーソードもいいが、まずは店売り防具を全て身に纏ってから。幸運にも数多の?よろいの中からプレートメイルを一領発掘し、少しゆとりが出る。
初日にしては、上々の成果と言える。
過去プレイした時と違い、魔術師呪文が二人分使えるので、レベル5になったら一挙に地下二階を攻めてみよう、うんそうしよう!(フラグ)